倶楽部　モモママ

私には師匠と勝手に崇めさせていただいている方々が何名かいらっしゃいますが、その中の一人の話。
彼は、江戸っ子です。
私などが貧乏な学生のころなど、遊びにいった帰り、彼の他のとりまく人たちをふくめてレストランに入り、
『なんでもいいから、たのんじまえ。おごりだ。』とメニュー表を我々に渡します。
まあ、皆さんも遠慮してとりあえず、手ごろな定食を選ぶのですが、その方も、
『なんだ、皆おなじか？俺も、ナントカ定食で』とそれがなんなのか確認もせずに注文するような男前なかたです。

その方と韓国へ遊びに行ったときの話しです。
彼は向こうでも人々から尊敬され、『大兄』と呼ばれてました。
かの地での逸話はさておいて、とある日の夜、山小屋でしてくれてた話があります。

その方の、これまたお弟子というか取り巻きの若者の一人がいました。
その若者が、相談に来たそうです。
『プロのカメラマンになりたい。海外に行って修行したい』と相談に来たそうです。
その方は彼に
『いくら必要なんだ』というと、彼は
『～（金額忘れたけど大金です）円です』
といったそうです。
さすがにその方でも大変な額だったらしく、彼をつれて親戚をあつめ金が必要だといって集金しその金をそのまま彼にポンと投げ出して
『これで行ってきな』
といったそうです。

その若者はめきめきと腕をあげて有名になりました。
その後、その方も若者がいるアラスカに招待されたり、かの地の名士にも紹介されたりして、
『いや～、すごかったよ』ってうれしそうに話してました。

韓国の山の小屋でロウソクをあかりに酒を飲みながらしてくれた話です。感動しましたよ。

そのカメラマンの方は、その後、熊に襲われてお亡くなりになられた方です。